6人以下の室内楽曲

«ヴォワラージュ»
(2000) for Fl, Cl, Vn, Va, Vc and Pf

A-fl, Bass cl, Pf, Vn, Va, Vc
委嘱:ロワイヨモン財団、ヴァル・ド・ワーズ県議会、サルセル市
初演:2000年9月16日 ロワイヨモン修道院
アンサンブル・アンスタンドネ
演奏時間:11分
出版:Breitkopf & Härtel

谷崎潤一郎は、著書「陰影礼賛」の中で、「東洋人の考える美は、物体にあるのでなく、物体と物体との作り出す陰翳の綾、明暗にある」と説いています。 そうした陰翳によって生み出される美を音楽上で表現しようと試みたのが、この作品《ヴォワラージュ》(voilage: 仏語で「透明な薄布をかける」の意)です。倍音や特殊奏法の組み合わせによって、くすんだ音色を作り出したり、リズムや音の連なりをフィルターにかけたよ うに次第に差し引いていくことで、音と音の間、また音と耳の間に、薄布をかけたような、聴覚上の「陰翳」を知覚できるのではないかと考えました。

望月 京