6人以下の室内楽曲

«All that is including me»
(1996) for Bass Fl, Cl and Vn

for Bass fl, Cl and Vn

委嘱:ヤマハ音楽振興会
 初演:1997年2月26日 東京・紀尾井ホール
 B-fl. 木ノ脇道元、Cl. 菊地秀夫、Vn. 寺岡有希子、Cond. 佐藤紀雄
 演奏時間:10分30秒
 出版 : Breitkopf & Härtel

 作品のタイトルはバックミンスター=フラーの即興詩の一部を引用したものです。
 
 Environment to each must be
 « All that is excepting me ».
 Universe in turn must be
 « All that is including me ».
 (以下略)
 
 環境とは、
 《私を除くすべての存在》
 であるにちがいない。
 それに対して宇宙とは、
 《私を含むすべての存在》
 であるにちがいない。
 
 この詩が紹介されている立花隆著「宇宙からの帰還」(中央公論社、1983年)は、60年代に宇宙へ行ったアメリカ人宇宙飛行士十数人のインタビューを基に、宇宙体験がその後の彼らにもたらした衝撃的な精神変化について纏めたものです。
 多くの宇宙飛行士が異口同音に語る宇宙の霊的エネルギー、それによって感じた確かな「神」の存在や敬虔な気持ちなどに感銘を受け、さまざまな惑星の進行 (複合回転系)を模した小宇宙を3楽器で表現してみたいと考えました。3楽器は、共有する短いモチーフ(3度のトリル、グリッサンド、長音、音色の変化を 伴う長音、 沈黙、半音階、不安定な発音etc.)を自由に組み合わせて各自様々な長さのフレーズを作り、各フレーズの終わりにそれを示す打音を奏します。モチーフの拡大や縮小も取り入れ、繰り返すことで、フレーズやアンサンブルの内部だけでなく、曲全体にも膨張と収縮が生み出されます。 自転・公転の速度や周期の異なる3惑星(例えば太陽、月、地球)を包括する宇宙や、円環状に流れる永遠回帰の時間を彷彿させる音楽をイメージして作曲しました。

望月 京


All that is including me