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«Suikinkutsu»
(2023) for Vn, Va, Vc, Pf and Koto -
«Kannon Anatomy»
(2023) for Shakuhachi quintet -
«Itadakimas -un rituel avant de manger-»
(2022) for Fl, Va, Hp and Perc. -
«Phylogénie »
(2022) for Violin and Viola -
«Boids again»
(2020) for String Quartet - No.3 in the cycle "Brains" - -
«Ghin-no-oto»
(2021) for Shakuhachi and Shamisen -
«in-side»
(2020) for string quartet - No.4 in the cycle "Brains" - -
«Satellites»
(2019-20) for Soprano saxophone, Percussion and Piano
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«Reading winds -Intermezzi VI- for Vc solo»
for Vc solo (2019) -
«Boids -an apostil to "Brains" (2017)-»
(2018) for string quartet -
«Brains»
(2016-17) for string quartet -
«60 seconds for Toshio»
(2015) for Fl, Hp and Vn, on the occasion of Toshio Hosokawa's 60th birthday -
«Le monde des ronds et des carrés»
(2015) for 2 percussionists and 2 pianists -
«インテルメッツィV»
(2012) for Viola and Accordion -
«Intermezzi IV»
(2011) for Cl and Pf -a prelude for Brahms' Sonata op120-1 -
«クォーク - インテルメッツィ III»
(2010) for Percussion solo
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«Terres Rouges»
(2005-2006) for string quartet -
«Toccata»
(2005) for Recorder and Koto -
«Pré-écho»
(2005) - un prélude pour la 5ème suite de J.S. Bach pour violoncelle -
«Lagunes»
(2005) for wind quintet and Pf -
«メビウス・リング»
(2003) pour piano solo -
«ネクスト・ステップ»
(2003) -
«インテルメッツィ II»
(2002) for Koto -
«ヴォワラージュ»
(2000) for Fl, Cl, Vn, Va, Vc and Pf
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«Pas à Pas»
(2000) for Accordion and Basoon -
«Au Bleu Bois»
(1998) for oboe solo -
«インテルメッツィ I»
(1998) for Fl and Pf -
«En Arcades»
(1997) for Cl and electronics -
«All that is including me»
(1996) for Bass Fl, Cl and Vn -
«Dérivation»
(1996) for Fl, Perc and Pf -
«Passages en failles»
(1995) for Fl, Ob, Cl, Vn and Db -
«Rain, steam and speed»
(1994) for Vn, Vc and Cb
(2016-17) for string quartet
Brains (2016-17)
委嘱:ラジオ・フランス
初演:2017年2月13日、ディオティマ弦楽四重奏団 プレザンス音楽祭、ラジオ・フランス
出版:Breitkopf & Härtel
演奏時間:10分
何が人を、「その人」たらしめるのか?
この問いに関する考察の音楽化第一作目として《Brains》(脳[複数形])は作曲されました。
曲の発想源となっているのは、脳の研究者、池谷裕二氏との対談(『kotoba』2016年冬号、集英社)や、氏の著書を通して学んだ、ヒトの脳の持つ数々の特徴です。
池谷氏によれば、脳の中に、リズムに反応する脳回路はもともと備わっており、リズムがどんな音楽にも共通する要素である以上、人間と音楽とは不可分であるとのこと。言語も音楽から生まれたという学説すらあるそうで、では逆に、言語によって考察された脳(ないしは心)の働きを、音楽に置き換えてみたら…という発想に基づき、今後、脳のさまざまな特徴を順次音楽化し、複数の曲から成るシリーズ作品にしたいと思っています。
《Brains》では、脳の自発性と学習法を主題としてとりあげました。脳が使う全エネルギーの90%以上は自発活動に消費されており、その活動は無秩序ではなく、外部刺激によって特定のパターンに固定されるとのこと。この脳の自発性が、コンピュータとの大きな違いで、それにより脳は指令がなくとも自ら学習し、知識や記憶を書き換え、時には勝手にそれらを補填・捏造したりもするのだとか。そうした、いわば「創造的学習」と、ミラーニューロンがもたらす「模倣的学習」(他者の動作や行動を真似ることで、自分の知識や経験の幅を広げてゆく)によって、社会性や、自分が何者であるかを探求する姿勢などの「人間らしさ」が育まれていくようです。
曲の中では、冒頭、第2ヴァイオリンが提示する「脳の自発活動の定型パターン」としての音型を、第1ヴァイオリン、ヴィオラがそれぞれの適性(音域、速度)に合わせて模倣しながら変化させてゆきます(「記憶の書き換え」、「他者とは異なる『自分』の追求」)。模倣や、他者への共感を苦手とする(ミラーニューロンの機能障害が原因とする説もある)自閉症のチェロが、独自のパターンを展開しながら加担することで、音楽にまた別の変化がもたらされます。
望月 京
京都初演の批評:http://mercuredesarts.com/2018/07/14/quatuor_diotima-kyoto-notohara/