管弦楽曲

«むすび»
(2010) for symphonic orchestra

3.3.3.3./ 4.3.3.1./ 4Perc./12.12.10.8.6.

東京フィルハーモニー交響楽団創立100周年記念委嘱作品
初演: 2011年1月13日 東京オペラシティコンサートホール
指揮:渡邊一正 東京フィルハーモニー交響楽団
演奏時間:15分
出版社:Publisher: Breitkopf & Härtel


「東京フィルハーモニー交響楽団の創立100周年にあたり、『寿ぎの歌』のようなものを書いてくださいませんか」というのが、このたび、指揮者の大野和士氏からいただいたリクエストでした。
 「寿ぎの歌」という古風な言葉の語感や、このコンサートのチラシの、鶴やお多福、その他いろいろな人物や動物の浮かれ踊る図柄など、皆様がたが抱いていらっしゃると思われる「祝賀イメージ」を反映させた音楽を作曲しようと試みました。
 冒頭、古来、「春、芽吹き」などの意味合いを内包し、もっとも明るい響きと言われる「双調の調子」が木管楽器によって演奏されます。そこから派生する弦楽器 の響きは、異なるシステムによって展開してゆき、さらに、ご祝儀舞である「寿獅子」の引用など、さまざまに生起する別次元の音楽層が、同じ空間のなかで結 ばれることによって、新たなエネルギーを生み出すことを意図しています。
 長い年月の間に、さまざまな内外の力を結集しながら発展してきた東京フィルハーモニー交響楽団のメタファーとして、そのような構造を考えました。
 創立100周年、心よりお祝い申し上げます。

望月 京

むすび